女性のからだ

産婦人科医学博士 SAIKO

  • 神戸大学卒業後、産婦人科医として、15年以上働いてきました。
    大学病院勤務を経て、現在は、婦人科クリニックに勤務する一方、ホリスティックな医学にも興味をもち、日々勉強中です。
    今まで、数多くの出産に立ち会うとともに、子宮がんや卵巣がんなどの婦人科悪性疾患や、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科疾患の治療に携わってきました。
    たった15年間の間でも、時代とともに増えてきている病気や、だんだん減ってきている病気というのがあります。全体の傾向としては、食生活の欧米化により日本人の病気も欧米化してきているように思います。食事の内容が変わるだけで、なりやすい病気まで変わってくるということは、健康を考える上で、食生活はとても大切であるといえるのではないでしょうか?
    もちろん病気の原因は様々な要因が絡んでいますし、食事以外の生活習慣や、ストレスや、思考パターンなども関係していますが、まず、始めに、誰でも取り入れていきやすい健康法といえば、やはり 食事だと思います。

    私がこのルポマルディをサポートしているのは、ここは単なるエステサロンではなく、美容と健康のエキスパートが集まり、医食同源を目指す「食」の提供までを行っていることに共感したからです。治療に来られる患者さんのほとんどが、食文化だけではなく、ご自分の体のしくみを知らない方が多すぎます。このコーナーでは産婦人科に来る以前に、女性であれば最低知っておいてほしい女性の体の基礎知識をお皆さまに伝えしていきたいと思います。

子宮ガン検診のすすめ

子宮頸がん検診のすすめ
20歳以上の女性は、年に一度は子宮頸がん検診を受けましょう!


子宮がんには子宮頸がんと子宮体がんがあります。この2つはまったく違ったタイプのがんで、子宮頸がんが子宮の入り口である頸部にでき発症にはウイルスが関与するのに対し、子宮体がんは子宮の内部にでき女性ホルモンが関与しています。

女性が罹るがんのなかでも、子宮頸がんは世界的にも乳がんに次いで多いがんで、日本では毎年8000人があらたに診断され、約2400人が死亡しています。そして、今一番問題になっているのは、20代から30代前半で罹患率が急増していることです。

子宮頸がんは、前がん病変や、ごく初期の段階で発見できれば、子宮が温存でき、100%治りその後の妊娠や出産も可能ですが、進行してしまうと、子宮や卵巣の摘出が必要になり、命にもかかわってきます。しかし、前がん病変や、ごく初期の段階ではほとんど自覚症状がないため、早期発見、早期治療のためには、子宮頸がん検診を受けることがとても大切になります。
子宮頸がんの発症には、ヒトパピローマウイルス(human papillomavirus ; HPV)が深く関与しています。HPVには100種類以上の種類があり、子宮頸がんの発症に関係するのはそのうちの15種類ほどで、発がん性HPV(ハイリスクタイプHPV)と呼ばれています。

HPVの子宮頸部への感染はほとんどが性交渉によるものですが、これは決して特別なものではなく、性交経験のある女性なら約80%はハイリスクタイプHPVに一度は感染するといわれています。HPVは性交渉により感染しますが、いわゆる性病とは違い、誰でも感染する可能性のある一般的なもので、風邪にかかるのと同じようなものだと考えてください。

ハイリスクタイプHPVに感染してもほとんどの場合は一過性で、ウイルスは自然に排除されます。しかし、長期間にわたりHPV感染が持続することがあり、その一部が異形成(細胞がすこし異常な状態)になりますが、異形成になっても多くが、自然治癒していきます。ごく一部が、異形成が進行し数年から数十年かけてがん化していきます。

このように、ハイリスクタイプHPVの感染から子宮頸がん発症までには、長い期間を要するため、この間に子宮頸がん検診を受ければ、がんになる前に発見することが可能です。

ところが、欧米の子宮頸がん検診受診率が概ね70~80%なのに対して、日本の受診率は20%で、20代にいたっては5%にもみたず、30代前半でも10%もないのが現状です。

子宮頸がん検診は、検査料も比較的安く、簡易で、痛みもほとんどなく、精度も高いもので、定期的に検診を受ければ、異形成や前がん病変の状態で発見することができます。

異形成や前がん病変の段階ではほとんど自覚症状がありません。
子宮頸がんは早期発見、早期治療ができれば100%なおすことができるがんですから、20歳以上の女性は、年に一度は検診を受けることをおすすめします。